本の場

学芸員は“雑芸員”?! ― 学芸員・松山聖央さんに聴く現代日本社会のなかの美術 【前編】

Posted by local knowledge on November 14th, 2023

武庫川女子大学生活美学研究所で研究とキュレーション活動をされている松山聖央さんは、数年前まで公立美術館で専任の学芸員として働いておられました。もともと大学で生物化学を学んでいた松山さんは、自然科学的な考え方への違和感から大学院で文転して美学の道に進み、地域で最大級の美術館で正規職に就いて2010年代を過ごされます。その学芸員時代に仲間内でよく交わされた自嘲気味のフレーズが、「学芸員は“雑芸員”」なのだそうです。

11月30日の「本の場」では松山さんから、現代日本の公立美術館の置かれている状況、学芸員に求められる仕事の実際、欧米の「キュレーター」との職務内容の違い、学芸員同士のネットワーク、ほかの生涯学習施設との関係や違い等、学芸員時代のご経験に基づいてざっくばらんにお話しいただきます。

これまで主に公共図書館を取り上げてきた「本の場」は、サイトリニューアルを機に、美術館や博物館、大学、学校、書店、出版社等々へとウィングを広げ、「地域の知的ベースキャンプ」がどこにどのようにありうるのか、みなさんと一緒に見ていきたいと考えています。松山さんのお話を通じて、学芸員と司書の、美術館と図書館の似ている点と異なる点を対話的・感覚的に把握することは、私たちがそれぞれの専門職や施設の今後のあり方について考えを深めていくのにきっと役立つことでしょう。

本イベントに関連する松山さんお薦めの一冊

メルロ=ポンティ『眼と精神』を読む

メルロ=ポンティ『眼と精神』を読む

著者:モーリス・メルロ=ポンティ 翻訳:富松 保文

出版社:武蔵野美術大学出版局

発売日:2015/3/31

1,870円(amazon.co.jp 2023年11月8日時点)

開催概要

  • 学芸員は“雑芸員”?!― 学芸員・松山聖央さんに聴く現代日本社会のなかの美術 【前編】
  • 2023/11/30 (木) 19:30~21:00

お申込みいただいたみなさま全員に見逃し配信を行います。ウェビナー終了後一両日中にはアーカイブ動画配信を開始し、約1週間のあいだご視聴いただけます。

毎月2回程度の「本の場」ウェビナーのほか、「ローカルナレッジ」が開催する全ての有料セミナーに原則としてご参加いただけます。

  • Zoomミーティングを利用したオンラインイベントです。
    お申込みいただいた方および「ローカルナレッジ」月額サブスクリプションメンバーの方には、参加URLを事前にメールにてお送りします。
  • チケットの購入期限は当日11月30日の18:00までとさせていただきます。
  • 主催:本棚演算株式会社
松山聖央(まつやま まお)
松山聖央(まつやま まお)

武庫川女子大学生活美学研究所助手。神戸大学を拠点とする神戸雰囲気学研究所メンバー。北海道大学理学部卒業。同大学院文学研究科修士課程修了。2011年6月より北海道立近代美術館に学芸員として勤務。2020年4月より現職。企画・担当した展覧会に「ガレとアール・ヌーヴォー ガラスの中の自然」(2013)、「生誕70年・没後40年記念 深井克美展」(2019)、「北海道151年のヴンダーカンマー」(2020)など。近年は近現代ドイツの思想を基盤とする環境美学の研究に取り組む。おもな論文に「マルティン・ゼールにおける『美的承認』概念の美学的射程」(『美学』71[2]、2020)。