地域の知的ベースキャンプとしての図書館と書店

3rd Place with Books

米国の社会学者レイ・オルデンバーグ(Ray Oldenburg)が、著書『The Great Good Place』でサードプレイス(3rd Place:職場でも自宅でもない、寛げる第3の場所)の重要性を指摘したのは1989年。彼の主張自体はジェイン・ジェイコブズ(Jane Jacobs)の『アメリカ大都市の死と生』(1961)を下地にしていて、都市化が進行していく中で、インフォーマルでお気軽な社交の場が失われ、家庭や職場以外でのコミュニケーションが喪失されていることを嘆くものでした。さて、少子高齢化で低成長を余儀なくされている日本の各地域がこれから作るべきサードプレイスとはいかなるものでしょう。喫茶店・居酒屋・公民館などのように機能主義的に細分化・先鋭化した施設ではなく、図書館や書店などの本のある場所において、非公式なコミュニケーションが自然発生する仕組みがインストールされた場所こそがサードプレイスに相応しいのではないでしょうか。ここで重要なのは「目的の曖昧さと空間的多様性」です。先達の事例に学びながら、自分の地域に応用可能かどうかを検証していきましょう。

地域人による地域創生

【新シリーズ開始、参加無料】
本と地域の結びつきはこんなに多様だ! ―『「本」とともに地域で生きる』を著者・南陀楼綾繁さんと読む

ローカルナレッジでは、元「地域人」編集長で現在は大正大学出版会編集長の渡邊直樹さんをコーディネータとして、新シリーズ「地域人による地域創生」を立ち上げます。...

本の場

「公民館的なもの」が今こそ地域に必要だ ―『公民館を再発明する』を著者・牧野篤先生と読む

11月21日の「本の場」では、『公民館を再発明する』のエッセンスを著者・牧野先生から伺いながら、今の日本社会でますます重要性を増してきている「公民館的なもの」について考えてみます。...

本の場

『日本のまちで屋台が躍る』を編集者・中村睦美さん、屋台実践者・孫大輔さんと一緒に読む ― いま屋台を引いてまちに出ると何を突破できるのか

10月17日の「本の場」では、この興味深い一冊を自主製作された「屋台本出版」唯一の書籍編集者・中村睦美さんから、この本の成り立ちや制作、流通・販売の裏話を伺いながら、孫先生も交えて、今の日本社会における屋台的なるものの可能性について、みなさ...

本のある場所が育むこれからのシビックプライド

本のある場所が育むこれからのシビックプライド ―メディコスを卒業した吉成信夫さんが今考えていること

9月19日の「本の場」では、明石市本のまちづくり推進アドバイザーの吉成信夫さんに岩手やメディコスでの体験をベースに、今、吉成さんがどんなことを考えて何を成そうとされているのか、じっくりお話しいただきます。...

鎌倉幸子さんのお話を聴いて、エファジャパンのクラウドファンディングを応援しよう

【緊急開催、参加無料】 カンボジアとラオスでデジタル図書を開発して、障害がある子どもたちに届けたい!
― 鎌倉幸子さんのお話を聴いて、エファジャパンのクラウドファンディングを応援しよう

8月22日の「本の場」では、カンボジアやラオスにおける子どもたちの“読書の飢餓”の現状、エファのこれまでの取組みとこれからの計画について、鎌倉さんに直接語っていただきます。...

本の場

【リアル+オンライン】 「軽出版」は出版の未来を救うか ―
仲俣暁生さんが『橋本治「再読」ノート』を独りで編集・製作・販売して見えてきたこと

6/24(月)夜、仲俣さんを東京・外苑前の FLAT BASE にお迎えして、「軽出版」の実際のところを(算盤勘定含めて)微に入り細に入りお伺いします。さらに、なかなか明るい話題の少ない出版産業の未来を少しばかり照らす光になるのかどうか、「...

本の場

自分たちで「歴史」をのこす ― 『コロナ禍の声を聞く 大学生とオーラルヒストリーの出会い』から学ぶ身近な歴史のつくり方

4月23日の「本の場」では、安岡先生からオーラルヒストリーの意義と手法、その可能性を伺ったうえで、プロジェクトメンバーの学生のみなさんや大阪大学出版会の担当編集の方にも加わっていただき、本づくりの実際を詳しくお聴きします。...

本の場

まちの読書文化を官民連携で支える ― 「公営書店」八戸ブックセンターというユニークな挑戦

3月28日の「本の場」では、開設以来の八戸ブックセンター所長で市職員でもある音喜多信嗣さんにこれまでの歩みを振り返っていただきながら、本にまつわる官民連携の新たなかたちに思いを巡らせます。...

本の場

地域には支援しなければならない多くの人がいる ― 名古屋市守山図書館・志段味図書館の多彩な挑戦

2月29日の「本の場」では、守山図書館・志段味図書館兼任館長の藤坂康司さんから、「みんなのがん教室」以外のさまざまなユニークなイベントについて詳しくご紹介いただきながら、地域の多様な支援の場としての公共図書館の可能性について考えていきたいと...

本の場

名古屋市志段味図書館「みんなのがん教室」のあゆみ ― 「がん×図書館×地域」の豊かな可能性

2月15日の「本の場」では、志段味図書館館長の藤坂康司さんから、丸2年が経とうとしている「みんなのがん教室」の取組みについて、その当初の目論見や継続開催してきて得られた知見をお話しいただきます。ゲストとして彦田さんもお招きし、「がん×図書館...

本の場

大事なことは対話や交流の積み重ねから ― 「ないものはない」海士町の図書館にはいろんなコトが生まれ続ける 〔後編〕

1月25日の後編では、自治や交流といった活動の中身について深掘りして語っていただきます。磯谷さんの実践の積み重ねとその効果についてお伺いしながら、同様の取組みがどうすれば他の場所でもできそうか、真剣に考えてみたいと思います。...

本の場

「島まるごと図書館」の現在地 ― 「ないものはない」海士町の図書館にはいろんなコトが生まれ続ける 〔前編〕

1月18日の前編では、磯谷さんが四半世紀過ごして来られた海士町がどんなふうに変わってきたのか、多くの方々と一緒に作り上げて来られた「島まるごと図書館」のここまでの歩み、中央図書館の現状、島じゅうに散らばる図書スポットが今どんな感じで運営され...

ウィキペディアでまちおこし

刊行直前! 初の本格的ウィキペディアタウン本『ウィキペディアでまちおこし』を著者・伊達深雪さんがいち早くご紹介

12月21日の「本の場」では、伊達さんご自身から本書中のいくつかのエピソードをご紹介いただくとともに、初めての単著出版まで漕ぎ着けた舞台裏の苦労話を伺います。...

本でこどもたちに希望を届ける ― 「感情図書館」という若者の挑戦

【緊急開催(リアル&オンライン、参加無料)】
本でこどもたちに希望を届ける ― 「感情図書館」という若者の挑戦

2年前から東京都足立区を舞台に「こどもたちが自分の意思で自由に来ることのできる第3の居場所」づくりを目指して駄菓子屋を運営している、大学生・高校生のボランティアグループがあります。彼ら彼女らは駄菓子屋での活動を通じて...

本の場

感性を揺さぶる企画展のつくりかた ― 学芸員・松山聖央さんに聴く現代日本社会のなかの美術 【後編】

12月14日の「本の場」では、松山さんからご自身の手掛けた魅力的な展示やワークショップの事例をご紹介いただきながら、それらを実現させたバックグラウンドとしての研究活動の一端まで語っていただきます。...

本の場

学芸員は“雑芸員”?! ― 学芸員・松山聖央さんに聴く現代日本社会のなかの美術 【前編】

11月30日の「本の場」では松山さんから、現代日本の公立美術館の置かれている状況、学芸員に求められる仕事の実際、欧米の「キュレーター」との職務内容の違い、学芸員同士のネットワーク、ほかの生涯学習施設との関係や違い等、学芸員時代のご経験に基づ...