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分散型自律組織は被災地のために

Posted by local knowledge on January 3rd, 2024

令和6年能登半島地震で被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。 一日も早い復旧をお祈りしております。

実は(能登半島での被災とは比較になりませんが)私(竹田)の実家(新潟県上越市)でも軽い被害があり、一時避難所に駆け込む騒動になりました、が、行政が全く機能せず、私の兄が、押し寄せる住民の整理を買って出ざるを得ない事態になり、自分自身の体調を崩し、すぐに自宅に舞い戻って寝込む、という笑うに笑えない状態になりました(4日現在、上越市の避難所は全て閉鎖したようです)。

今回のような激甚災害時に、以前から不思議だなと感じていたのは、避難所として被災地近辺の小中学校などが指定されていることです。これだけ災害を繰り返していても「避難所」が進化しないのはなぜだろう、と思うわけですね。普段「そのために準備してあるわけではない施設」を避難所として利用するのはそもそも無理があります。緊急避難と避難生活が混同されているという側面もありそうです。

そもそも避難所は本来「自宅よりも快適」であるべきでしょう。つまり「平常時から(快適さを求めて)利用されている施設」こそ避難所に相応しい、ということです。例えば自家発電能力を有し、宿泊施設のあるスーパー銭湯のようなもの、あるいは高速道路のサービスエリアに広大な宿泊施設を併設する、あるいは宿泊可能な道の駅、などが考えられます。それらの施設には(携帯電話の)基地局などもぜひ併設していただきたい。そしてそのような快適な施設が災害時には被災地の住民に優先的に無料開放される、と考えればいいのです。

しかし残念ながらそのような施設の開発・運営を阻むのが、おそらく膨大な数が乱立する災害関連法でしょう。行政の複雑さが、被災地の住民の命・生活・希望を奪っている可能性が否定できません。加えてこの緊急時に、自民党の最大派閥が東京地検特捜部に政治資金規正法違反の疑いで捜査を受けている、という体たらくです。

結果的に、熊本地震の時に事実上のコントロールセンターとして機能したのが博多だったことも併せて考えると、80年代に構想された「道州制」が極めて堅牢な広域地方自治として現実味を帯びてくるように思います。DAO(Decentralized Autonomous Organization、分散型自律組織)はブロックチェーンを普及させるためのアイデアとしてではなく、被災者が快適な生活を送れるための仕組み・制度設計として取り入れていくべきもの、でしょう。

私自身は、元旦の午後に話題の映画『PERFECT DAYS』を見に行きました。見終わった直後に能登半島地震が発生し、その翌日に日本航空と海上保安庁の航空機が衝突、ということで、個人的には少々混乱しています。加えて、たまたまスイッチを入れたテレビ番組で、日本を代表するスーパーモデル冨永愛が「今年の目標はなんですか?」というインタビューアーの質問に対して「今年だの、来年だの、というように1年単位で目標を設定するのはそもそもおかしい」と答えているのを見ていて、なんとも不思議な気分で正月三が日を終えたのであります。

ローカルナレッジ 発行人:竹田茂

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