2024/8/26 (月) 19:00~20:30
レクチャーシリーズ:未来のメディアの作り方(第1回)
あいまいさに耐える/ネガティブ・リテラシーのすすめ
佐藤卓己(上智大学文学部新聞学科教授/京都大学名誉教授)
Posted by local knowledge on August 22nd, 2024
「テレビ・新聞・雑誌・ラジオは信頼に値するが、SNSは流言だらけで信用できない」と考えているのは当のマスコミ関係者だけでしょう。その情報の「あいまいさ」については、従来からあるメディアもSNSも大差ないことを若い世代は見抜いています。8月20日に岩波新書として発行される『あいまいさに耐える/ネガティブ・リテラシーのすすめ』は 読者(情報の受け手)に、あいまいさに耐えるためのネガティブリテラシーの必要性を説く書籍ですが、同時にこれは、メディアを作る人たち(情報の送り手)に対して、自らが作る情報のあいまいさに耐える胆力を養うために必要なノウハウをも伝授しようというものです。あいまいさに耐えられない人や組織に未来のメディアなど作る資格はない、ということでしょうか。
佐藤卓己氏(上智大学教授/京都大学名誉教授)による「レクチャーシリーズ:未来のメディアの作り方」は、この「あいまいさに耐える/ネガティブ・リテラシーのすすめ」を皮切りに来年3月まで、彼の膨大な著作の中から重要度の高いものを副読本として毎回1冊取り上げ、月1回のペースで合計8回の講義を実施します。今回の第1回のみ『八月十五日の神話:(終戦記念日のメディア学)』についても言及したいと考えていますので、今回は2冊の書籍を元に議論を展開していきます。聞き手・司会はLocalKnowledge発行人の竹田が担当します。
開催概要
イベント名称 | レクチャーシリーズ:未来のメディアの作り方(第1回) あいまいさに耐える/ネガティブ・リテラシーのすすめ |
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開催日時 | 2024/8/26(月) 19:00~20:30 ※お申込みいただいたみなさま全員に見逃し配信を行います。イベント終了後一両日中にはアーカイブ動画配信を開始し、約1週間のあいだご視聴いただけます。 |
話題提供者 | 佐藤卓己(さとう・たくみ) 上智大学文学部新聞学科教授/京都大学名誉教授(専攻:メディア史) |
参考図書 |
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イベント形態 | Zoomミーティングを利用したオンラインイベントです。 ※お申込みいただいた方および「ローカルナレッジ」月額サブスクリプションメンバーの方には、参加URLを事前にメールにてお送りします。 |
参加料 | 1,500円(税込) ※月額サブスクリプションメンバーは不要 |
参加方法 | このウェビナー(Webinar)のみ申し込む、 または月額500円(税込)のサブスクリプション サブスクリプションに登録する ※サブスクリプションメンバーは月額500円のお支払いだけで、毎月複数回実施される「ローカルナレッジ」が開催する全ての有料セミナーに参加可能です。 |
購入期限 | チケットの購入期限は当日8月26日の18:00までとさせていただきます。 |
主催 | ローカルナレッジ編集部(スタイル株式会社) |
少し前に「健全な言論プラットフォームに向けて」なる論考が公開されました。「健康的な食事」をアナロジーとした「情報的健康」を提案していますが、これどう考えても単なる情報統制につながる話ですから(気持ちはわからんでもないのですが)「健全な言論」という発想自体が少々危険です。過去のメディアおよびコミュニケーション空間で起きた様々な事象は「不健全であることの健全さ」に溢れていました。つまりこれから新しいメディアを作ろうとするときに参考になるのは「過去にメディアがやってきたある種の不健全さ」を振り返ることにあると考えられます。「レクチャーシリーズ:未来のメディアの作り方」は2回目以降、以下の書籍を中心に議論を展開します。来年(2025年)の2月25日のみ火曜日ですが、それ以外は基本的に月1回・月曜の19時~20時半(1時間の講義と30分の質疑応答)を予定しています。
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第2回(9月30日)
言論統制(中央公論新社、2024)
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第3回(10月28日)
輿論(よろん)と世論(せろん)(新潮社、2008)
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第4回(11月25日)
テレビ的教養(一億総博知化への系譜)(岩波現代文庫、2019)
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第5回(12月23日)
負け組のメディア史:(天下無敵 野依秀市伝 )(岩波現代文庫。2021)
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第6回(2025年1月27日)
流言のメディア史(岩波新書、2019)
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第7回(2025年2月25日)
キングの時代(岩波現代文庫、2020)
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第8回(2025年3月24日)
メディア論の名著30 (ちくま新書、2020)
佐藤卓己(さとう・たくみ)
1960年広島県生まれ。京都大学文学部史学科を経て1986年同大学院修士課程修了。ミュンヘン大学近代史研究所留学後、1989年京都大学大学院博士課程単位取得退学。東京大学新聞研究所助手、同志社大学文学部助教授、国際日本文化研究センター助教授、京都大学大学院教育学研究科教授を歴任。2024年3月に京都大学を早期退職し、同年4月に上智大学文学部新聞学科教授に就任(現任)。