鳥取県の活字文化の半世紀を、現役世代と一緒に振り返る ― 書店・出版・図書館の垣根を越えて

鳥取県の活字文化の半世紀を、現役世代と一緒に振り返る ― 書店・出版・図書館の垣根を越えて

Posted by local knowledge on January 5th, 2026

実は今、鳥取県の方々と一緒に『図書館先進県ができるまで ― 活字を友とする鳥取県の人々 五十年の実践』(仮題)という本を商業出版する計画を進めています。

先進的なサービスや体制によって業界内でその名を轟かせる鳥取県立図書館、一昨年惜しまれつつ閉店した“独立系書店の聖地”定有堂書店、出版業界では伝説として語り継がれる「本の学校 大山緑陰シンポジウム」。過去半世紀のあいだに、鳥取という人口最小県でそれらが連続的に生まれた背景には、誰のどんな思いと実践があったのか、ミクロな事実を掘り起こして繋げてみよう、という試みです。

著者は、長崎県立大学国際社会学部教授で元朝日新聞鳥取支局記者の鈴木暁彦さんと、総務省地域力創造アドバイザーで元鳥取県立公文書館長の安藤隆一さん。鳥取へUターンした安藤さんが、

「鳥取の街は沈滞しているなあ」
「本当に面白い事のない街だなあ」
「それじゃ、オレ達で何か面白い事をやってみようや」

と1978年に仲間と始めたタウン誌『スペース』に、鈴木さんも執筆者として参加されていたという旧知のお二人です。

奈良敏行さんが定有堂書店を開店されたのが1980年、山陰最大の書店チェーン今井書店をのちに率いる永井伸和さんが地元境港で児童文庫「麦垣文庫」を開設されたのは1972年でした。以降、奈良さんはミニコミ誌(今風に言えばZINE)の発行や読書会の開催を粘り強く続け、永井さんは書店経営のかたわら地域の読書運動や公共図書館の充実を求める運動に熱心に取り組んでいかれます。

その後現在の鳥取県立図書館がオープンしたのが1990年。2000年代以降、ビジネス支援、医療・健康情報、学校図書館支援等、時代と地域のニーズに合った数々の先進的サービスを実装されていきます。「本の調達は地元書店から」というポリシーは今に至るまで一貫していて、定有堂書店も今井書店も、新刊書を見繕って持ち込む「見計らい」というやり方に大いに協力してこられました。

近年、地域の活字文化の危機が、まちの本屋の衰退とともに声高に叫ばれています。並行して、公共図書館には、地域の活字文化・読書文化に対する新しい積極的な役割が求められ始めています。このタイミングで、ここ半世紀のあいだに人口最小県で起こった本や読書にまつわる画期的な出来事を詳しく辿ることは、けっこう意味があるのではないでしょうか。

1月14日の「本の場」では、定有堂書店のあった場所で2024年に新たに本屋SHEEPSHEEP BOOKSを開店された髙木善祥さんと、鳥取にUターンして2019年にひとり出版社小取舎出版を創業された村瀬謙介さんを現役世代代表としてお迎えし、著者の鈴木さんと一緒に、鳥取県の活字文化の半世紀を参照しつつ今とこれからのことを語り合っていただきます。今、鳥取という地域で独立系書店やひとり出版社を営むということに、過去半世紀さまざまな本を愛する人々が耕してきたDNAはどのように繋がっているのか、そして本や読書にどんな未来がありそうか、リアルなお話しを伺います。

開催概要

イベント名称鳥取県の活字文化の半世紀を、現役世代と一緒に振り返る ― 書店・出版・図書館の垣根を越えて
開催日時2026年1月14日 (水) 19:00~20:30
※お申込みいただいたみなさま全員に見逃し配信を行います。イベント終了後一両日中にはアーカイブ動画配信を開始し、約1週間のあいだご視聴いただけます。
話題提供者髙木 善祥(たかき・よしなが) SHEEPSHEEP BOOKS
村瀬 謙介(むらせ・けんすけ) 小取舎出版
鈴木 暁彦(すずき・あきひこ) 長崎県立大学国際社会学部教授、元朝日新聞鳥取支局記者
イベント形態Zoomミーティングを利用したオンラインイベントです。
※お申込みいただいた方には参加URLを事前にメールにてお送りします。
参加料無料
参加方法このウェビナー(Webinar)を申し込む
購入期限チケットの申込期限は当日1月14日の18:00までとさせていただきます。
主催本棚演算株式会社
※プログラムの内容・時間などは予告なく変更となる可能性があります。ご了承ください。
髙木 善祥(たかき・よしなが)
髙木 善祥(たかき・よしなが)

1973年 鳥取市生まれ
2023年11月まで(株)今井書店にて鳥取倉吉地区のエリアマネージャーとして勤務。2024年5月、定有堂ビル2階にて、新刊と古本を扱う本屋「SHEEPSHEEP BOOKS」を始める。「I stand alone, but I’m not alone. 私は独りで立っている。しかし、孤独ではない。」をモットーに、地域に根差した店舗運営を行っている。

村瀬 謙介(むらせ・けんすけ)
村瀬 謙介(むらせ・けんすけ)

鳥取県生まれ。小取舎代表。大阪で書店勤務など様々な仕事を経て帰郷。県内の情報を扱うフリーマガジンの営業、企画、製作を10年にわたり行う。バー経営、鳥取大学地域連携コーディネーターとして勤務したのち、2020年に出版社小取舎を設立。これまでに『芸術と文化2020』『街を見る方法』『鳥取あれこれ』『橋田邦彦・現象学・アーレントの再解釈』『「見る場所」のメディア考古学』等多数を上梓。

鈴木 暁彦(すずき・あきひこ)
鈴木 暁彦(すずき・あきひこ)

長崎県立大学国際社会学部国際社会学科教授。早稲田大学法学部卒、放送大学大学院文化科学研究科修士課程修了・修士(学術)。1962年生まれ。1985年朝日新聞入社、鳥取、神戸支局員、東京・大阪経済部員、北京支局員(中国総局員)を経て大阪経済部次長、広州支局長などを務める。退職後、関西学院大学国際学部国際学科の非常勤講師などを経て2016年4月から現職。マスコミュニケーション論などを担当。共著に『奔流中国21 新世紀大国の素顔』(朝日新聞出版)、『奔流中国 21世紀の中華世界』(朝日新聞社)。