シュレディンガーの水曜日

アートとサイエンスの融合を翻訳学で加速させる方法

Accelerating the Fusion of Art and Science using Translation Studies/Schrödinger's Wednesday

Posted by local knowledge on January 4th, 2024

「アート思考をビジネスに活かせ」と言われて「わかった。やってみよう」と思えるビジネスマンは皆無でしょう。「アート思考」が直感を根拠にするものであるとすれば、他人はそれを真似できないのが普通です。それに比べると東京工業大学・野原先生のアート×サイエンスのクリエイティブ・フローは極めてわかりやすく実利的です。そしてそのクリエイティブ・フローの中核エンジンとしてフル回転しているのが翻訳学です。つまりサイエンスとアートをコミュニケーション(翻訳)で融合させよう、ということです。サイエンスとアートは文化的には両極だと思われています。サイエンスは理論的で実証的ですが、アート思考はむしろ曖昧な部分、あるいはノイズのようなものを拾っていくところにその本領があります。この両者の作業を「読み換えていく(=翻訳していく)」というところがミソなのですね。すでに多くの企業がこの野原先生のクリエイティブ・フローを体験していますが、実際何をやってるのかをお披露目していただくのが今回の「シュレディンガーの水曜日」になります。副読本として『デザイン・アートの基礎課程』(BNN)も発行されました。一見芸術系の生徒が対象の書籍に見えますが、実はこれは立派なビジネス書になっています。なお、今回の講義では少しだけ実習の時間を設けます(面白くなると思いますよ)。参加される方は紙とエンピツをご用意ください。

開催概要

  • アートとサイエンスの融合を翻訳学で加速させる方法
  • 開催日時:2024/1/17(水曜)19:00~20:30
  • 講師:野原 佳代子(東京工業大学 環境・社会理工学院 教授)
    学習院大学大学院で日本語学の修士、オックスフォード大学マートンカレッジで歴史学の学士・修士号、同大学クイーンズカレッジにおいて翻訳学の博士号。オックスフォード大学講師、学習院大学文学部助手、ルーヴェンカトリック大学(ベルギー)国際研究員などを経て現職。記号間、異分野間翻訳の可能性について探り、近年は東工大サテライトラボSTADHIを主宰しサイエンス/テクノロジーとアート/デザイン融合の創出に挑戦している。『ディスカッションから学ぶ翻訳学 トランスレーション・スタディーズ入門』(三省堂 2014年)、Translating Popular Fiction: Embracing Otherness in Japanese Translation (Peter Lang, Oxford 2018年)など著書多数。
  • Zoomウェビナー(Webinar)を利用したオンラインイベントです。お申込みいただいた方にURLをお送りします。
  • 参加料:1500円(税込) このウェビナー(Webinar)のみ申し込む、または月額500円(税込)のサブスクリプション サブスクリプションに登録する
    「ローカルナレッジ」が開催する全ての有料セミナーに月額500円でご参加いただけるお買い得なメニューです(1回のイベント毎に500円ではなく、月1回500円のお支払いで、全てのイベントに参加できます)
  • お申込みいただいた方および「ローカルナレッジ」月額サブスクリプションメンバーの方には、参加URLを事前にメールにてお送りします。
    チケットの購入期限は当日1月17日の16:00までとさせていただきます。
  • 主催:シュレディンガーの水曜日実行委員会
  • プログラムの内容・時間などは予告なく変更となる可能性があります。ご了承ください。
シュレディンガーの水曜日
世界最高峰の美術大学セントラル・セント・マーチンズで学ぶ デザイン・アートの基礎課程 発想力、共感力、批判的思考、問題解決能力を身につける

ISBN:978-4-8025-1264-0
定価:本体3,400円+税
仕様:B5判変型/256ページ
発売日:2022年10月20日
著者:ルーシー・アレクサンダー 、 ティモシー・ミーラ
監訳:野原佳代子
翻訳:倉地三奈子
デザイン:中山正成(APRIL FOOL Inc.)

52ケ国以上の人が学ぶ難関美術大学の基礎課程、待望の日本語版!

世界最高峰の美術大学・英国セントラル・セント・マーチンズのファンデーションコースの公式ブックの日本語版です。ファンデーションコースとは「学部入学準備コース」のことで、ファッション、アート、グラフィック、立体デザイン、建築の主要なレッスンが含まれています。デザイン・アート留学を検討中の方、デザイン・アート教育に携わっている方、学び足りないと思っているデザイナーやアーティストの方におすすめのように見えますが、実は一般ビジネスマンがプロジェクトをクリエイティブにマネージしていくためのノウハウが詰まっています。本書で紹介されているさまざまな方法を活用することで、自らのアイデアの事業化に役立つと思われます。

シュレディンガーの水曜日実行委員会

Schrödinger’s Wednesday Council

シュレディンガーの水曜日

(写真左から)

原正彦(はら・まさひこ:メインコメンテータ、MC):ドイツ・アーヘン工科大学 シニア・フェロー
1980年東京工業大学・有機材料工学科卒業、83年修士修了、88年工学博士。81年から82年まで英国・マンチェスター大学・物理学科に留学。85年4月から理化学研究所の高分子化学研究室研究員。分子素子、エキゾチックナノ材料、局所時空間機能、創発機能、揺律機能などの研究チームを主管、さらに理研-HYU連携研究センター長(韓国ソウル)、連携研究部門長を歴任。2003年4月から東京工業大学教授。現在はアーヘン工科大学シニア・フェロー、東京工業大学特別研究員、熊本大学大学院先導機構客員教授、ロンドン芸術大学客員研究員を務める。

中山知信(なかやま・とものぶ:レギュラーコメンテータ):物質・材料研究機構(NIMS)国際・広報部門・部門長
1988年東京工業大学大学院・材料科学専攻修士修了(99年博士(理学)、東京大学)。91年、民間企業から理化学研究所に移籍し、ナノ物性研究に従事。2002年より、物質・材料研究機構(NIMS)。国際ナノアーキテクトニクス研究拠点(WPI-MANA)PI、同拠点副拠点長および事務部門長などを務め、2007年文部科学大臣表彰科学技術賞研究部門、2019年応用物理学会フェロー表彰などを受賞。筑波大学准教授、教授も併任し、2022年より同大学名誉連携教授。現在は、NIMS国際・広報部門長として研究の活性化に力を入れている。

長谷川 修司(はせがわ・しゅうじ):日本物理学会・会長、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻教授
1960年生。東京大学大学院理学系研究科物理学専攻修士課程修了。理学博士。日立製作所基礎研究所研究員、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻助手、同助教授、同准教授を経て、現在は東京大学大学院理学系研究科物理学専攻教授。専門は固体表面およびナノスケール構造の物性。2018年から2023年まで公益社団法人・物理オリンピック日本委員会理事長

桜田 一洋(さくらだ・かずひろ):慶應義塾大学・医学部 石井・石橋記念講座(拡張知能医学)教授
大阪大学大学院理学研究科修士課程修了(生理学専攻)。1988年協和発酵工業株式会社東京研究所に研究員として入所。2000年同研究所主任研究員。2004年日本シエーリング株式会社リサーチセンターセンター長。2007年バイエル薬品株式会社執行役員、神戸リサーチセンター長。2008年iZumi Bio, Inc.執行役員、最高科学担当責任者。同年株式会社ソニーコンピューターサイエンス研究所シニアリサーチャー。2016年 理化学研究所 医科学イノベーションハブ推進プログラム 副プログラムディレクターとなる。2021年より慶応大学医学部拡張知能医学講座教授として学生の指導にも携わり現在に至る。最新著書『亜種の起源 苦しみは波のように』(幻冬舎、2020)で、「心」をサイエンスで捉える生命論を展開する注目の研究者。

八十雅世(やそ・まさよ):情報技術開発株式会社・コーポレート本部経営企画室マネージャー
早稲田大学第一文学部美術史学専修卒、早稲田大学大学院経営管理研究科(Waseda Business School)にてMBA取得。技術調査部門や新規事業チーム、マーケティング・プロモーション企画職などを経て、現職。