災害と宗教とボランティア

災害と宗教とボランティア ― 地域再生におけるお寺・神社・教会の可能性

Posted by local knowledge on April 8th, 2024

阪神淡路、東日本、熊本、能登…、この30年のあいだ大震災が起こるたびに、政府や自治体の支援策が大きく取り沙汰される一方、全国から集まるボランティアによる支援活動がクローズアップされるようになりました。そんな中で宗教学者の島薗進さんは、災害支援における宗教教団・宗教者の活動の広がりに着目してこられました。

石川県小松市にある圓満山本光寺の僧侶である八幡真衣さんは、コロナ禍がきっかけで子ども食堂を始められ、現在その「テンプル食堂」は全国7ケ所(福井、石川に2ヶ所、沖縄、熊本、京都、大阪)にまで広まっています。元旦の能登半島地震はまさにその子ども食堂にいるときに発生、そのままみんなで一夜を過ごしたあと翌2日には輪島に入られ、現在も積極的な支援活動を続けておられます。宗教者だからこそできる支援のやり方がある、と八幡さんはおっしゃいます。

金光教気仙沼教会は、東日本大震災の際に被災者の避難所となり、また多くのボランティアを受け入れて活動拠点の役割を果たされました。お隣の神社とも協力し合いながら、一帯で或る種の共同生活が営まれていた時期もあり、商店街のようなものも自然発生的に生まれたそうです。副教会長で臨床宗教師でもある奥原幹雄さんは、その後ながく地域コミュニティ支援に積極的に取り組まれ、子どもたち向けのサマーキャンプや子ども食堂も運営してこられました。

Local Knowledge MeetUp Spring 2024の最終となる本セッションでは、島薗さんの水先案内で、八幡さんと奥原さんから現場でのリアルな活動を詳しくお伺いしながら、能登の復興について、さらに私たち自身が暮らす地域が将来もし災害に見舞われたときの復興について、ご参加のみなさんと一緒に考え、お話ししていきたいと思います。

開催概要

イベント名称災害と宗教とボランティア ― 地域再生におけるお寺・神社・教会の可能性
※本イベントは「Local Knowledge MeetUp Spring 2024 いま考える『地域主権』と『新しい復興』」のSession 5として開催いたします。
開催日時2024/4/26(金)19:00~22:00(予定)
※本イベントは見逃し配信を行いません。
話題提供者島薗 進さん(東京大学名誉教授)
八幡真衣さん(圓満山本光寺)
奥原幹雄さん(金光教気仙沼教会)
イベント形態Zoom Webinarsを利用したオンライン開催です。
※お申込みいただいた方に参加用URLをメールにてお送りします。
参加料無料
参加方法参加登録はこちら
※お申込みは「Local Knowledge MeetUp Spring 2024 いま考える『地域主権』と『新しい復興』」全体として受付いたします。同じ参加用URLでどのセッションにも参加が可能です。
主催ローカルナレッジ編集委員会(スタイル株式会社本棚演算株式会社
協力一般社団法人・京都大学学術出版会
後援京都大学 東南アジア地域研究研究所
※プログラムの内容・時間などは予告なく変更となる可能性があります。ご了承ください。
島薗 進・八幡真衣・奥原幹雄

島薗 進(しまぞの すすむ) 写真左
1948年東京都生まれ。東京大学文学部宗教学科卒業。同大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。東京大学名誉教授。上智大学グリーフケア研究所所長を経て、大正大学地域構想研究所客員教授。おもな研究領域は、近代日本宗教史、宗教理論、死生学。『宗教学の名著30』(筑摩書房)、『宗教ってなんだろう?』(平凡社)、『ともに悲嘆を生きる』(朝日選書)、『日本仏教の社会倫理』(岩波書店)など著書多数。

八幡真衣(やはた まい) 写真中央
一般社団法人えんまん代表理事。2020年より地域子ども食堂「テンプル食堂」を開催、現在は全国で7箇所。浄土真宗本願寺派僧侶、布教使。小4、小1の子どもを持つシングルマザー。

奥原幹雄(おくはら みきお)写真右
金光教気仙沼教会副教会長、臨床宗教師、宮城県気仙沼市出身。東日本大震災後気仙沼市で被災者支援やコミニティ支援、こども支援に従事し、こども向けサマーキャンプやこども食堂等を運営。