
2025年6月13日(金)22:00~23:00
写真集の夜
飯沢耕太郎オンライン・フォトブック・ギャラリー
第2回 金川晋吾『明るくていい部屋』
Posted by local knowledge on May 30th, 2025
2019年2月から斎藤玲児さんと百瀬文さんと三人で暮らしている。玲児くんと文ちゃんは2011年からつき合っていたが、2019年1月に玲児くんの住んでいた部屋の契約が切れるので、そのタイミングで二人は一緒に住むことを考えていて、やっぱり二人ではなく私も含めた三人で住みたいと二人ともが思ったらしく、私に声をかけてきた。
(『明るくていい部屋』p.122)
女男男三人の風変わりな共同生活が5年余りにわたって淡々と記録される写真集『明るくていい部屋』。恋愛や性愛的な要素もありつつ、生活や家事、さらにそうした日常的な営みすべてを通じてどうしょうもなく浮かび上がってくる他人との関係性、他人は何者で自分は何者かという人間に対する理解の深まりが、写真とテキスト両方から滲み出てくる一冊です。
撮ることと執着の関係は説明しづらいところがある。(中略)執着しているから撮っているのではない。撮ることの欲望は、何かそういう因果関係におさまらないところがある。
(『明るくていい部屋』p.143)
そのまま小説や映画になりそうなストーリー性がどうしても感じられてしまう題材が、金川晋吾さんの写真ではなぜこんなに静的に表現されるのでしょう。
「写真集の夜」第2回は、金川さんをゲストに迎え、写真評論家・飯沢耕太郎さんとお二人で、作品ひとつひとつを眺めながらざっくばらんに語り合っていただきます。
(飯沢さんコメント)
金川晋吾さんは、いま一番注目している写真家の一人です。失踪を繰り返す父親を撮影した『father』(2016年)で注目を集め、昨年は『明るくていい部屋』、『祈り/長崎』の2冊で、個と社会との関係を生活のレベルから問い直す写真シリーズを発表しました。今回は、『明るくていい部屋』を中心に、彼がいま何を考え、どこに行こうとしているかを語っていただきたいと思っています。
開催概要
名称 | 写真集の夜 飯沢耕太郎オンライン・フォトブック・ギャラリー 第2回 金川晋吾『明るくていい部屋』 |
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開催日時 | 2025年6月13日 (金) 22:00~23:00 ※見逃し配信は行いません。後日、アーカイブ動画を有料で販売する予定です。 |
ゲスト | 金川晋吾 (写真家) |
案内人 | 飯沢耕太郎 (写真評論家) |
形態 | Zoomウェビナー(Webinar)を利用したオンラインギャラリーです。 ※お申込みいただいた方には参加URLを事前にメールにてお送りします。 |
参加料 | 無料 |
参加方法 | このウェビナー(Webinar)を申し込む |
購入期限 | チケットの申込期限は当日6月13日の21:00までとさせていただきます。 |
主催 | スタイル株式会社 |
今夜の写真集

飯沢耕太郎(いいざわ・こうたろう)
写真評論家。詩人。1954年、宮城県生まれ。1977年、日本大学芸術学部写真学科卒業。1984年、筑波大学大学院芸術学研究科博士課程修了。主な著書に『写真美術館へようこそ』(講談社現代新書1996)、『私写真論』(筑摩書房2000)、『デジグラフィ』(中央公論新社 2004)、『きのこ文学大全』(平凡社新書2008)、『写真的思考』(河出ブックス 2009)、『キーワードで読む現代日本写真』(フィルムアート社、2017)、『African Sketchbook』(Purple、2025)、『猫島からの帰還』(ふげん社、2025)などがある。
(撮影:うつゆみこ)

金川晋吾
写真家。1981年京都府生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。2016年『father』(青幻舎)、2021年『犬たちの状態』(太田靖久との共著、フィルムアート社)、2023年『長い間』(ナナルイ)、『いなくなっていない父』(晶文社)、2024年『祈り/長崎』(書肆九十九)、『明るくていい部屋』(ふげん社)刊行。近年の主な展覧会、2022年「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」森美術館、「現在地のまなざし 日本の新進作家 vol.21」東京都写真美術館、「つくりかけラボ16 知らないうちにはじまっていて、いつ終わるのかわからない」千葉市美術館 、2025年「ある日」座間市役所など。
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