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反射光のみが再現できる品質

反射光で再現される色(colour)は、1)視神経系、2)光の波長(=周波数の逆数)、3)光を反射する物質の表面特性、の3つの相互作用の結果として確定します。一方、私たちの日常生活におけるメディア環境は、新聞・雑誌・書籍・絵画・プリントされ...

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構造(architecture)こそがコンテンツ

YouTubeを使い続けていると、視聴履歴に基づいたレコメンデーションが加速され始め、最初は「お。気が利いてるな」と感じるのですが、似たような動画が次から次へと表示され始めると、自分自身の視聴履歴の偏りやバランスの悪さに嫌気が差し始め...

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新譜不要の時代の到来

宇多田ヒカルが『First Love』で1999年に鮮烈なデビューを飾った時、私もこの大ヒットしたアルバムを購入したのですが、この時の第一印象は「ああ、もう新譜を買う必要はないな」というものでした。...

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ダブルメジャー(double major)という専門性

私自身が新潟の片田舎の高校生だった頃はその存在すら知らなかった国際基督教大学に(これまた随分昔の話しですが)たまたま自分の娘が入学することになり、改めてこの大学のことを調べたことがあります。第二次世界大戦の敗戦後、東京府北多摩郡三鷹町(当時...

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コンパッション都市を作る

「手伝おうか?」という一言が諍いの発端になったという経験のある方も多いのではないでしょうか。育児や家事に追われ、なりふりかまっていられない妻を見るに見かねた夫が冒頭の言葉を投げかける。ところが妻にしてみればその一見優しいセリフにカチンとくる...

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マテリアルズ・インフォマティクスとは

一般設計学というものがありまして、現在、東京国際工科専門職大学・学長の吉川弘之氏が1970年代の東大工学部教授時代に提唱された構想です。これは一種のメタ設計学、すなわち設計という行為の設計学になっています...

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解釈こそが創作

家の外装を修復することになり、およそ1ヶ月間、数人の職人さんが出入りすることになりました。こちらはテレワークがデフォルトなので、職人さんの仕事ぶりを観察させていただく機会に恵まれ、自分の仕事の合間に気分転換を兼ねて...

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常識の相対化とノスタルジー

今年1月に創刊した『Modern Times』で主張したいことをひとつに絞るとすれば「常識は猛烈なスピードで相対化されている」ということに尽きるような気がします。「常識」はそもそも状況依存度の高い価値なので、文化・歴史・慣習が異なれば違った...

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丁寧な説明という慇懃無礼

記号としての言葉には多くの場合、3つの意味と役割が含まれています。すなわちデノテーション(denotation:明示的な意味)、コノテーション(connotation:暗喩=暗示的な言外の意味、またはメタメッセージ)、そしてアノテーション(...

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安全運転と協調行動

運転席に着座したら「自分は今日、これからどんな事故を起こす可能性があるのだろう」という具合に“最悪の事態”をイメージしましょう。出発地から目的地までのルート中で考えられる事故の可能性を想定するのです。...

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デジタル化成功の鍵はアナログ力(りょく)にある

検証が困難な俗説ですが、人類が最初に発見した数字は「2」と言われています。食べられるもの(1)と食べられないもの(0)を“分けた(二分した)”というわけです。立派なバイナリデータ(binary data)です。画期的な数字“ゼロ(Zero)...

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ポイント制度から離脱せよ

ポイント制度はマクロ経済からの観点では「デフレスパイラル」を誘発しやすいはずで、それは最終的に消費者自身の労働者としての給料がどんどん下がっていくことを意味します。低価格であることを売りにしている家具や家電などの量販店で...

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地上波は意外性満載のギフト

オーダーしたものが届くことには何の意外性もありません(当たり前です)。しかしオーダーしていたことすら忘れていた輸入CDが、数ヶ月後にいかにも空輸されてきたことを感じさせる薄汚れたパッケージで届き「なんだこれ?」と開けてみたら、なんと欲しかっ...

ニューズレター

DXで破壊したい言葉たち

「たらい回しの起源は専門家にある」があまりに面白かったので、似たような言葉で、DXで撲滅させることができそうな、あるいはDXでその言葉の価値をさらにアップデートできそうな日本語固有と思われる表現を書き出してみました。...

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明治翻訳語には要注意

メディアアーティストの落合陽一氏が最近コンヴィヴィリアリティ(Conviviality )という言葉を連発していることが話題になっています。この言葉は、私の古い仕事仲間の古瀬幸広氏が1996年に発刊した『インターネットが変える世界(岩波新書...

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直接対話の効能

テレワークがある程度定着したことで、そこかしこから実空間での雑談の重要性が聞こえてきますが、雑談はそれ自体が主体(subject)にはなり得ないということには留意したほうがよさそうです。「さて会議でも始めるか」は慣れ親しんだ日常ですが、...